外資系企業ってどうなの?

ずいぶん長い間、外資系企業で働いてるので当たり前に感じていたのだけど、意外に「外資系企業ってどう?」と聞かれることが多いので改めて書いてみます。 

ちなみに私がここで言う外資系企業とは、大手の有名企業ではなく、親会社は外国で上場はしているけど、その子会社である日本法人は本当に小さな中小企業が前提です。しかも超小さい、従業員数20人以下なんて珍しくない、そんな会社です。

外資系企業と聞くとなんか自由でかっこよくて外人ぽくて。。。なんて感じがするかもしれないけど、もともとの会社が純日本の会社だったのかどうか、経営者(正確には雇われ経営者、Country managerという)によってかなり違うという印象です。

だけど、正直言って、「外資系企業」って、外国に親会社をもつ日本法人。そこで働く日本人は「現地採用」!なのです。現地採用といえば、海外にある日系企業で働く場合、日本国内の親会社で採用されれば待遇はいいけど、そうでなくて、海外の現地法人で直接採用されれば現地採用ということになる点で同じ。そう考えると自分の立ち位置というのがなんとなく想像つきやすいですよね。

元々の会社が純日本の会社で、ある時点で外国の親会社に買収された会社はなかなか日本のやり方から変えるのが難しくて、変わっていく中で社員からの不満も絶えないし、かなり労力を使って変わっていくことになる。その変化に耐えられなくて退職していく人ももちろんいるし、買収された日本企業はほとんどの場合ERPなどのシステムの導入がなされるから、それもまた社員の退職理由になることが多い。特に高齢の方やITが苦手な人は、ERPに慣れなくて、どうしても従来のやり方を好むから。

もう1つの形態としては、外国親会社が初めから日本法人を作る目的で設立する会社。こっちの方が長年の変化を経験しないだけ楽かもしれない。あとは雇われ経営者がどんな人なのかが鍵。

そして(雇われ)経営者が会社全体をコントロールできるような有能な人ならやりやすいのだけど、大して規模が大きくない日本法人だから、そんなに有能な人が来ないことが多い。特にコミュニケーションが苦手だったりワンマン社長さんの場合は管理部門にかなりの負担が強いられることになる。それで、日本法人の管理部をマネージしているようなポジションに就いている日本人は親会社とその(雇われ)経営者の間に立つからかなり大変。そのポジションでだいたい年収800万から1000万ぐらい。大変な割にそんなに贅沢できる金額じゃないのだ。「残業代込み」だし。やってられないって思う方が多いかな。

補足ですが、年収800万から1000万円の場合、手取りでは500万後半から700万ぐらいなんですね。なので生活には困らないけど決して贅沢のできる金額ではなく、むしろお金をいちばん使う層なんじゃないかな。

お給料は、トップと社員の間にかなりの差があって、本当に一部の人、親会社で採用になった人ぐらいしかいい思いはしないと思う。

そもそも日本は給与水準がアメリカなどの先進国に比べてかなり低いと感じる。だから親会社にとってはやりやすいのだろうけどね。

で、会計に関しては、スケジュールは超厳しくて月次なら締め後2日でリポートするとか普通かも。そして年次決算が12月って会社が多いから、お正月はほとんどないのが本当に辛い!

ただ、転職して日本の企業に勤めて思ったのだけど、日本企業って上場しててもこんなにぐちゃぐちゃでなーなーで。。。上場していない外資系中小企業のほうがよっぽど管理部門がビシッとしてる。びっくりしました。

それから、ものすごく非効率なことをいまだにやっているし。例えば、さっさとERPなどをフルで導入すればいいのに、ケチって会計のモジュールしか導入していなかったり。これじゃあERPっていえないしw だから、マスターデータがなくて、Sub account (補助科目)のReconciliation がぐちゃぐちゃ。で、遡って1つ1つ手直ししたり。ありえなーーーーい!

こうゆう会社はほんの一部だと信じたいけど、こんな状況を見て本当に日本やばい!と思った。なんと非効率なことをやっているのだろう。日本がどうでもいいことに時間を費やすって本当なんだな。

話が逸れて日本企業の話になっちゃったけど、外資系中小企業に転職するなら、(雇われ)経営者の資質をしっかり見るべきだし、あと、自分が変えていく自信があるならいいけど、純日本の会社だったかどうかでもかなり雰囲気が明るいか、暗いかって違うんじゃないかな。

純日本の会社だったところが、思い切り縦割り組織になるには「人」の意識を変える必要があるし、ちょっと労力必要です。

ただ他方で、元々が純粋な日本企業の場合で外国企業によって買収されたことを機に外資系企業になった場合、それまで在籍していた日本人の一部は退職することが多い。そして新たに募集をかけるなどすることで、それなりに外資系企業にふさわしい人員構成に自然と変わっていくこともおおいいと思う。
あと、外国企業の日本法人という立場は、グループのビジネスを展開する上で必要だから設立されたわけで親会社が必要としている正確な情報を収集して報告できるかが重要。だから、つまらない不満や揉め事で騒ぐのはNGなんじゃないかな。
割りと多いのが、やたらと自己中心的な不満を漏らす人。例えば会社内の環境や業務の流れ、それから親会社のやり方などあらゆること。環境についてはまだ考える余地はあるかもしれないけど、業務フローや親会社の方針について不満を言ったところでどうにかなるわけではないし、嫌なら辞めたら?ということになるのです。
そうゆうときは、外資系企業がどう行った目的で日本法人を設立、または、買収して業務が成立しているのかを改めて考えると不満も出ないんじゃないかな。出たとしてもそれが嫌なら潔く退職する気持ちの整理もつきやすいと思う。
こう言ってる私自身も以前は自己中心的な不満で何も見えなくなって退職したことがあるのです。辞めて会社から離れて考えてみることでこういった考えに到達したのです。
まぁどこに行っても不満はあるのが現状なので究極には雇われない生き方に勝るものはないですね〜(^.^) 

以上、これで全部ではないですが、外資系企業についてお伝えしました。興味のある方、ご参考になればと思います。

 





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